ハレとケの料理のこと ~お雑煮編~
今日も今日とて、気圧に悩まされる日々。どうしてこんなにも貧弱なのか…。何も考えず、ひたすら糖分摂取に勤しむことを目論みたい、ゆっくるです!
料理に限らず、暮らしにおいて…きっと誰しも一度は耳にしたことがあるんじゃなかろうかという言葉。
ハレとケ。
※漢字では晴と褻と書くよう。
要は「非日常」と「日常」のこと。
ハレ は、お祭や年中行事。お祝い事のとき。
特に 晴れ姿・晴れ着なんて言葉をご想像いただければわかりやすいかなと。
ケ は、普段通りの暮らしのこと。気枯れ→ケガレ→ケガレを落とすことから来ているよう。
わたしがこの言葉を意識したのは、まだ学生の頃。調理関係の授業を可能な限り選択し、献立作成を考える際、指定が色々あって。
特に印象深かったのがこちら。
○○歳の母のお誕生日お祝いの献立を作成
ハレの日を意識し、食材は▲▲を必ず用いて、栄養バランス良く、○○歳(女性)の1日平均摂取カロリーから一食分に準じた献立
……なんかこんな感じの課題だったような…記憶が曖昧なので当時と違っている部分もあるだろうが…感想としては実に細かい注文だなと……ww
授業の中で ハレとケ を知ったものの、当時はハレの献立というものも人様のお誕生日の献立というのもよくわからず、頭を抱えた思い出…。
結局どんな献立作成をしたかも思い出せないけれど…これこそが!ハレの日の献立代表!ケの日とは段違いで豪華だぜ…!と思えたものが、お正月のおせち料理だった。
おせちはお節とも御節とも書き、正に新年を迎える節目のお料理。
お正月だけしか使わない塗りのお椀に華やかな取り皿。祝い箸に熱燗器、徳利にお猪口。
ストーブの上に置いた鍋から漂う、甘えびや昆布と野菜たちからとった出汁の良い香り。お餅を焼く香ばしい香り。
蓋を開けると、カラフルなお料理が詰まっているお重。テーブルに並ぶ、大皿のお料理………。
どうしようもない実家だったけれども、お正月だけは明るく楽しく、美味しい素敵な日という印象が強く強くあって。
器もお料理もお酒も会話もテレビも、あちこちからおめでたい感じが溢れていたから余計だろうか。
自分が育った地域では、伝統的なお祭りといっても春にお神輿を担ぐくらいだったので、ますますハレの日の料理=おせち料理 となった。
結婚してからは、おせち料理が出ない・手打ちの10割りそばを新年に食べる・オードブルやお寿司が並ぶという、新しい食文化を知ることとなり。
Twitterやネット、書籍を通じて、各地域・各家庭で様々なおせち料理とお雑煮があることを更に知ることとなり…。
改めて、食文化に興味を持った。
それからは転勤先の土地でお正月を迎える度に、自分で作るなら…やはりハレの日らしい!その地域らしい!彩り鮮やかなおせち料理・お雑煮を作りたくなった次第で!!
という訳で、2021年のお雑煮はこんな感じでした!(今更
●お雑煮2021
(鶏ぶつ切り、角餅、かつお菜、人参、柚子皮)
長崎では当たり前に売っている鶏のぶつ切りを使って!
お水と一緒に鍋で沸騰させてから、血合いの部分を水で良く洗う!
↓
鶏とお水と昆布を一緒に鍋に入れ、煮込む!
※昆布はぬめりが出るので沸騰直前くらいに取り出す
長崎のお雑煮は長崎白菜こと唐人菜や、 かつお菜という高菜の仲間が入ることが多いのかな?
我が家は昨年に引き続き、力強い雰囲気のかつお菜を!
お餅は緑茶(夫)の実家からいただいたのをガスでじっくり焼いた!
※ちなみに長崎は丸餅を焼く文化で、地元民に餅を茹でる話をしたら驚愕していたw
鶏のぶつ切りはアクを取りながらじっくりと煮込み、味見をしたらば…鶏と昆布の旨味たっぷりでそのままで美味しい!なんてこった…でも塩で少し調味する😂
人参を桜の型で型抜きして出汁と一緒に加熱しておき、先程のかつお菜は別の鍋で湯がいておく
柚子皮は白い部分に苦味があるので綺麗に削いで、可能な限り細切りに!
焼いた餅を椀に入れ、具材をのせて出汁を注げば…シンプルだけど滋味深いお雑煮の出来上がり!
我ながら、大変美味しいお雑煮だった…(^q^)
長崎はかつおと昆布のあわせだしが主流の様で、2年連続で作ってみて美味しかったけれど、鶏のぶつ切りと昆布のあわせだしも素晴らしかったな~!
嗚呼、水炊き文化って!!素敵!!!
我が家の毎年変化するお雑煮でした。
次はわたしにとってハレの日献立代表、おせち料理について書くぞ~(今更